★記事30本突破★ なぜ自分は技術ブログを書き続けるのか?

ようやく本ブログの記事数も30本突破しました。お読み頂きありごとうございます。

記事30本は目標にしていた数字ですが、2018年12月に書き始めて達成したのが2019年9月なので10ヶ月かかりました。

普段は技術以外のことは全く書かない本ブログですが、今回は30本突破記念として特別に「なぜ自分は技術ブログを書き続けるのか」というテーマで書いてみたいと思います。あと、本ブログのPV数や人気記事も紹介したいと思いますので目次を見て気になるところから読み進めてください。

技術ブログを書く目的

まず大前提としてブログを書くのは手間暇がかかります。そして多くの人は30本の記事に到達することなく燃え尽きてしまいます。自分も過去にブログを書いて30本いかずに挫折した経験があるのでその気持は非常によくわかります。少なくとも「なぜ自分はブログを書き続けるのか」という問いに対してある程度腹落ちする結論を出しておかないと継続は難しいでしょう。つまりブログを継続的に書き続けるには「目的の設定」が重要になってきます。

例えば、「自分の興味ある技術を紹介したい」という目的だったら、自分の興味のある技術を紹介し終えたらブログを書き続けることができなくなってしまいます。また、「何でもいいから適当に旬のネタでブログを更新しよう」ということにしたら、書き続けている内に何のためにブログを更新しているのか分からなくなる日が来ると思います。従って、これら2つは継続的に書き続けるための目的としては不適切だと思われます。

結局ブログを継続的に書くための目的としては短期的に達成できるような具体性を持たせてはだめで、かといって「何でもいい」にしてしまうと書き続ける意義を見失ってしまうリスクがあります。これらを踏まえて本ブログでは「技術を軸にして」以下の3つを達成することを目的としました。

  1. 自己紹介
  2. 自己研鑽
  3. 社会貢献

なぜ、これらを継続的に書き続けるための目的にしたのかをこれから説明してみたいと思います。

「自己紹介」としてのブログ

「自己紹介」のためにブログを持つというのは一番わかり易い目的かも知れません。例えば、「ブログ書いています」、「〇〇といった記事を書いたことがあります」と言えば、「ブログを書く人」「〇〇について詳しい人」という第一印象を与えることが出来ます。運が良ければ、すでに記事を読んでもらっていて自己紹介するまでもないかもしれません。

しかし単なる自己紹介ではあまり多くの記事を必要としないので、継続的に書き続けるための目的としてはもう少し別の工夫をしています。それは自己紹介を「現在興味ある技術や過去に取り組んだ技術、これから手を付けてみたい技術の陳列棚」と捉える方法です。この方法では過去から未来に渡って「自分はどんな技術に注目してきたか」という視点が生まれるので、ブログの幅が広がってより深い自己紹介をすることができます。

さらに自己紹介より一歩進んでブログを自己分析ツールにすることもできます。これには「ジョハリの窓」という有名なフレームワークがあって、自己を以下の図のように「自分は知っている/知らない」という軸と「他人は知っている/知らない」という軸の2つの軸で4象限に分類する手法です。一般的には、「開放の窓」を広げ、「未知の窓」を狭めていくことが良いとされています。

自分は自己紹介が苦手だと思っていますが、その根本として自己分析が上手く出来ていないというのも原因のひとつにあると思っています。そのため、このジョハリの窓を使って「秘密の窓」や「盲点の窓」にあたる記事は何かということを意識しながら記事を考えることもあります。

「自己研鑽」としてのブログ

「技術ブログ」にした時点である程度「自己研鑽」の要素が必ず入ってくるというのは想像に難くないと思います。例えばそれがどんなに身近で詳しいと思っていた技術でも、記事一本書き上げるためにはあやふやな知識ではだめで、正確な情報とそれを元にした論理構成が必要になってきます。つまりある程度まともな技術記事を書き上げると必ず自己の成長がセットで付いてきます。

もちろん技術面だけではなく精神面における成長にも大きく寄与します。ブログを書き続けていると「自分の知識が浅い部分」や「よく理解できていない技術」について触れなければいけないことが多々訪れます。もちろんこの時は十分に調べて記事を書きますが、経験が浅いと最後まで記事に書いたことが本当に正しいのか自信を持てないことがよくあります。しかし、よくよく考えてみるとブログに書かれた全ての情報を誰の目から見ても完璧に仕上げることは到底不可能なことだと分かるはずです。

従って、大事なのはブログの記事をなるべく正確にしつつ、自信がない部分は断り書きをきちんと書くことであり、そうして公開した記事に全責任を負う態度だと思っています。

自信のない記事に責任を持つことは大きな不安が付き纏い、勇気がいることだと思います。しかし記事は一度書き上げたらそれで終わりと考えるのではなく、新たな第一歩を踏み出したのだと考えると見える景色も違ってくるはずです。

間違っていたら記事を訂正してもいいですし、新しい記事で補足をすることもできます。また次に書く新しい記事ではより正確な記事を書くように心がけるようになると思います。つまり、記事を公開して文責を持つことは常により良い記事を書こうとする原動力になり得るわけです。

「社会貢献」としてのブログ

今こうして技術ブログを書けるのは、自分の努力の結果だけではなく、その多くは恵まれた自分の環境によるものです。例えばこの技術ブログを書くために利用しているソフトウェアの多くはオープンソースとして公開されており、誰もが無料で使うことができます。そういったオープンソースを使うための知識はインターネットで公開されていたり、書籍で入手できます。そして、そうした書籍を理解するための力は両親や学校や社会が提供してくれたものです。つまり、今自分が置かれている環境は当たり前などでは決してなく、多くの人の努力と献身によって支えられているということになります。

このような相互扶助の輪の中に自分も加わることは、大きな恩恵となって社会全体に広がり、最終的には自分にも帰ってくるものだと考えています。従って「技術ブログ」を書くことの最終目的は「自己研鑽」の結果として「社会貢献」に繋がっているかだと自分は考えています。自分と社会の双方がWin-Winの関係になれることが理想です。そのために当ブログは社会貢献として一人でも多くの人に「少しでも役立つ記事」を提供したいと考え、以下のようなことを心がけています。

  • 世の中の知識を整理してストーリーにする
    • 読者に多くの知識を仮定しない
  • わかりやすく図示する
  • 写真を多く載せる
  • 読者の次の行動につながるように工夫する
    • 導入手順を分かりやすく載せる
    • サンプルコードをGitHubに公開する
    • リンクを多く貼る
    • 参考文献を載せる

当ブログが行える社会貢献は僅かですが、多くの人の「僅か」が集まって少しずつ社会を良くしていくものだと信じています。最後に自分が影響を受けた東大名誉教授の上原千鶴子さんの言葉で本節を締めようと思います。

がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
(中略)
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞より抜粋

「技術縛り」にした理由

ブログを書き続けるためには、縛りをつけずにより多くのネタを集められるようにしたほうが有利だと思われるかもしれません。概ねその意見は正しいのですが一つ条件が付きます。それは、「他の目的達成の障害にならない限り」です。

具体的に言うと「自己紹介」に関しては、あまりテーマが広すぎると他者に対する自己アピールが弱まり、最悪自己を誤解される恐れがあります。実は最初はたまには技術以外のネタも出してもいいかもと思いましたが、踏み止まりました。他のネタを書いた途端に本ブログは「技術ブログ」だと胸を張って言うことが出来なくなり、結果として中途半端な立ち位置の雑記ブログに見えてしまう危険があったからです。結局自分は「自己」として技術をアピールしたかったために「技術ブログ」にする選択をしました。

また、「社会貢献」の側面でも「技術ブログ」にした方がメリットがあります。それは社会貢献度で言えば高い専門性の方が希少なので、あまり詳しくない分野の記事を書くよりも自分の得意な技術系の記事に集中した方がよりよい社会貢献になりやすいからです。最近は単なるボランティアよりもプロボノ活動[^1]に注目が集まっているのもこういった理由があるからだと思っています。

[^1]: プロボノ(Pro bono)活動とは、各分野の専門家が、職業上持っている知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動全般のことを言います。そういった意味ではOSS活動もプロボノ活動の一種と言えるかもしれません。

実はブログを書くのは趣味じゃない

ブログを書いていると「趣味でやっているんでしょ?」と聞かれることがあります。もちろん仕事ではなくプライベートでやっているのは間違いないのですが、趣味(好きでやっている)かと尋ねられた場合には、正直「No」です。

冒頭でも書きましたが自分は過去にブログの継続を放棄した経験があります。その時は楽しいのは書きはじめて1ヶ月ぐらいのもので、それ以降は一気に苦しくなりました。それはなぜかと言うと自分が書いたブログが世界中に公開してもよい最低限のレベルのクオリティとオリジナリティを満たしているかを意識し始めたからです。最初は「達成感」、「自己陶酔」、「承認欲求」のおかげで気持ちよく書けていたブログが、一旦このことを意識しだすと記事を公開するのがだんだん怖くなり次第に更新頻度が減っていきました。

正直自分が趣味で作ったプログラムは基本的にはコピペ上等で「動けばいい」の精神で作っているので、公開できるレベルのものはかなり少ないです。趣味で書く文章も誤字脱字だらけの断片化した文章で他人が理解できるとは思えません。つまりブログは趣味ではない何かの力を用いて書いていることになります。

技術ブログを書く技術

趣味でないとしたら、どうやって技術ブログを書いているのかというと「環境」、「目的」、「技術」の力で乗り切っています。

まずは執筆環境です。実はこれが一番大事です。技術ブログを書くと何時間も机に向かうことになるのでなるべく快適な環境が必要になります。エディタとモニタは言うまでもないですがその他も結構重要です。特に広い机と快適な椅子は人生を変えるといっても過言では無いほど生産性に影響します。絶対に後悔はしないとおもうのでぜひ投資してください。以下は自分の執筆環境で、生産性に寄与している順番に並べています。ご参考まで。

  • エディタ
    • VS Code + 様々な拡張
    • よく使う文章やコードをスニペットに登録する
    • キーボードショートカットを覚える+必要に応じて調整
  • モニタ
    • 27インチのデュアルディスプレイ
  • キーボード
    • 自作(笑)
    • 幅160cm、奥行き70cmの木製デスク
  • 椅子
    • ちょっと高めのゲーミングチェア
  • コーヒーメーカー
  • スマートスピーカー
    • Amazon Echo Show 5

目的についてはすでに説明しました。「自己紹介」「自己研鑽」「社会貢献」の3つです。普段の趣味は楽しさ優先ですが、ブログを書く場合はどんなに辛くてもこの3つを最優先にして割り切って書くようにしています。下手に楽しさを優先すると自分の場合は書き上げられないことが多いので、目的の達成度を基準にブログをまとめるようにしています。

最後に技術です。基本的には以下のような流れ作業です。1の「ネタを貯める」だけがいわゆる「趣味」の範疇で、それ以降は趣味とは言えない自分にとっては苦しい作業ですね・・・

  1. ネタを貯める
  • 読んだ技術記事/技術書の感想をメモる
  • 興味あるOSSのコミットやプルリクをGitHubでウォッチする
  • 日常の不満や面白そうなことをプログラムで表現してみる
  • 趣味で書いたプログラムをとりあえずGitHubで公開してみる
  1. とにかく書き始める
  • ブレストみたいな感じ
  • ブログに入れたいテーマやキーワードを元にして短文をいくつか書いてみる
  1. プロットを考える
  • 読者に何を伝えたいかに焦点を絞って大まかなストーリーを練る
  1. 目次を考える
  2. まずは文章で説明してみる
  3. 図とコードに置き換えて説明する
  4. 前提を補足する
  5. ひたすら読み返して誤字脱字を訂正する
  6. リンクを貼ったり参考文献を付け足す
  7. 公開!!
  8. 公開後も読み返して、問題ないか確認する
    • 公開後も数回訂正することが多いです

技術に関して補足するとこのブログはHexoを使って書かれていて、ブログの記事全体も全てGitで管理されています。つまりブログサービスを使っている場合とは大分異なり、かなりの定型作業を自動化できます。例えば記事を全て検索してプログラムで処理するとか、記事に埋め込むためカスタムのタグを作ったりできます。Hexoについては以前に記事(Hexoでブログに再入門)を書いたので参考にしてください。

PV数と人気記事の紹介

正直PV数は大したことないです。一応SEO対策はしているつもりですが、ニッチな技術ブログでブログサービスも利用していないので当然かもしれません。検索流入は少しずつは増えているので気長にやるつもりです。

人気記事はダントツでErgoDash miniの組み立て記事でした。

ただ、このブログの記事は結構Qiitaにも転載をしていてここを見ると一番人気は以下の記事になっています。

まとめ

記事30本突破記念に「なぜ自分は技術ブログを書き続けるのか?」というテーマで語ってみました。正直、自分にとってブログを書き続けるのは楽じゃなかったので、それに見合う「目的」が必要であり、その苦痛を少しでも和らげるために「環境」と「技術」を見直してきました。もちろん今でも戦いは続いていますが。ここまで続けられたことでもう少し戦える自信も付きました。

30本は最初は遠い道程のように思えましたが、苦しさを乗り越えて一本書き上げる毎に成長を実感できて、振り返れば自分の貴重なアルバムになっていたので、続けてきて本当によかったと思っています。

本記事が、少しでもブログを書く人のヒントになれば幸いです。

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