Google好きの開発者が集結!GDG DevFest Tokyo 2019に参加してきました

検索エンジン、Google Map、Android、Go言語、Kubernetes、GCP・・・ 派生技術やプロダクトを含めるとおびただしい量のGoogleの技術が私達の生活に入り込んでいます。こうなるともうGoogleの技術が好きかどうかに関わらずエンジニアとしてはGoogleとうまく付き合っていくしかないというお気持ちです。

・・・というのは前置きで、自分はGoogleが好き🥰なので、Google好きな開発者たちが集まる祭典、GDG GevFest Tokyoに参加してきました。

日時・場所

日時と場所は以下のとおりです。参加したのは12/14日のセッションで、会場の電気通信大学は京王線調布駅から歩いて5分程でした。セッション開始より20分前の10:40頃に着いて受付を済ましました。

  • 日時
    • 2019年12月14日(土) 11:00~18:00
      • セッションと懇親会
    • 2019年12月15日(日) 14:00~17:00
      • 抽選で100名が参加可能なハンズオンおよびGoogleオフィス見学
  • 場所
    • 国立大学法人 電気通信大学
  • 参加費
    • 無料(ランチは500円、懇親会は3000円のオプション)
  • 参加人数
    • 1700人程

GDG DevFestとは

GDGはGoogle Developer Groupsのことで、Googleの技術好きが集まったコミュニティで世界各地にあります。GDG DevFestはその各地のGDGが独自に主催する開発者のためのイベントで世界で年間400以上のDevFestが開催されています^1

DevFest Eventsより引用
 
今回の「GDG DevFest Tokyo 2019」はGDG Tokyoが主催をしており今年で4回目の開催になります。ちなみにDevDestはあくまでコミュニティが主体のイベントであり、Googleはサポーターとしての位置づけになっています。そのせいかビジネスよりのセッションやガツガツした宣伝多めのセッションは殆どなく、技術愛に溢れた温かみのあるイベントとなっています。

GDG DevFest Tokyo 2019のハイライトがすでに公開されていますので興味がある方はご覧ください。。

セッションとホール

ホールは3つに別れており、7つのトラックで並行してセッションが走っていました。面白そうなセッションやハンズオンがたくさんあったので、本当に分身したい気持ちでいっぱいでした(笑)。

B棟1階の出展ブースでは協賛企業が様々な展示をしたりノベリティを配ったりしていました^2。面白い試みとしては出展ブースを見学したりセッションに参加するとシールが貰えて、シールを5枚集めるとノベリティと交換するというシステムでした。今まで出展ブースを回ってハンコを集めするようななものは見たことあったのですが、セッションも含めてシールを配っていたのは斬新でした。

参加セッション(午前)

午前の参加セッションは以下のキーノート2つです。

  • Keynote1: 世界に広がるGDGコミュニティとDevFest 鈴木 拓生(Google)
  • Keynote2: 円周率世界記録への道 @ 岩尾 エマ はるか(Google)

Keynote1はDevFestの由来や歴史とその盛り上がりについて解説されていました。DevFestは数年前から継続しているムーブメントでここ最近は爆発的な勢いで開催されているようです。さすがGoogle

Keynote2は円周率世界記録(31.4兆桁)をクラウド(GCP)を利用して121日間かけて達成したお話でした。円周率の計算には既存のプログラムを利用したそうですが、数ヶ月に及ぶ計算が必要なため信頼性の確保や検算やモニタリングにいろいろと工夫をされていました。結果的に8ペタバイトの読み書きが発生して利用料金に換算すると20万ドルかかったことになったそうです^3。ちなみに現在は利用料金が低下したので300万円ほど実行できるそうです。「後から見ると簡単に見える」という言葉が印象に残っていて、やはり世界一になる大変さと凄さとインパクトが伝わるエピソードでした。

あと、キャリアの話も興味深くて、Googleの採用に何度も落ちたけど受けるのタダだから毎年受けた話とか、英語の学び方とか色々と参考になりました。

ランチ

ランチは事前に500円のチケットをネットで購入しておけばゲットできました(限定800食)。B棟前の広場には4台のキッチンカーが並んでおり、自分は一番人気の熟成ハラミステーキ丼の列に迷わず並びました。とにかく一番人気だけあってすごい行列で多分一番早く売り切れたんじゃないかと思います[^4]。

熟成ハラミステーキ丼は本当に柔らかく美味しくて、500円で大丈夫か?と思ったくらいです。ただ、ちょうど一緒にランチをした同僚のバジルチキンセットも美味しそうだったので、願わくば全て味見をしてみたかったです・・・

[^4]: 「熟成ハラミステーキ丼」以外には「南インドカレー」、「ビーフストロガノフ 温泉卵添え」、「バジルチキンセット」のキッチンカーが並んでおりビーガンメニューを用意している所もありました。

GKEを本番運用する時に最低限考えるべきこととその方法(ランチセッション) @ 富永裕貴(クラウドエース)

ゆっくりランチを楽しみたかったのですがランチセッションも見たかったので、食べ終わったらすぐにセッション会場に向かいました。話された内容はKubernetes(GKE)のノードのアップグレード戦略でした。結論から言えばPodDisruptionBudgetリソースはほぼ必須でmaxUnavailableを適切に設定することでサービスの継続性を保ったまま安全にノードのアップグレードができるというものです。以外だったのはそのPDBをGKEが無視する場合があるということで、そういったエッジケースの検証の話が聞けてとても興味深かったです。

参加セッション(午後)

さて、昼食後しばらくしたら必ず眠くなってします体質の自分にとってはここからが修羅場です。フリスク片手に歯を食いしばって参加しました。

TensorFlow の使い方 〜 TF2.x とエコシステム 〜 @ 太田 満久(ブレインパッド)

午後一のセッションは楽しみにしていたTensorFlowです。TensorFlowはGoogle発の機械学習のプラットフォームで、最初はディープラーニング向けのライブラリとして注目されましたが、最近は推論フェーズにも力を入れており機械学習の総合プラットフォームに進化しています。このセッションではTensorFlowの詳細というよりは、TensorFlowの地図を見ながら全体を俯瞰する内容でした。

 

まず印象に残ったのは機械学習には訓練フェーズと推論フェーズがありエンジニアには訓練フェーズに注目が行きがちですが、実際の機械学習の利用シーンでは推論フェーズが重要だという話でした。そしてTensorFlowはまさにその領域にも十分力を入れていて、「TensorFlow Serving」「TensorFlow Lite」「TensorFlow.js」の3つが担っています。

機能 説明
TensorFlow Serving サーバサイドで推論。gRPCやREST APIを簡単に作成できる
TensorFlow Lite モバイル上で推論。閉域や遅延に厳しい場面で利用
TensorFlow.js ブラウザ上で推論。見た目の良いモデルが多い

特に面白そうだと思ったのがTensorFlow.jsで、ブラウザでぬるぬる動くようなモデルもあるので試してみたいと思います。また、実際に機械学習を始める際にアルゴリズムや統計学から入る人も多いと思いますが^5TensorFlow Hubで既存のモデルを試してみたり、Papers With Codeで最新の研究成果でどこまで実現できるかを確認したりすることがオススメだそうです。またAutoMLは特に機械学習の知識がなくても簡単に画像分類等ができるので試してみたいと思います。

Goの10年の道のりとその変遷 @ 山口 能迪(Google)

Go言語の進化の歴史を丁寧にまとめたセッションでした。やはり一番のターニングポイントは目立たないですがセルフホスティングをするようになった1.5だと個人的には思っています。セルフホスティングによってコンパイラ開発自体が言語の利便性と信頼性のベンチマークになるのでインフラ周りに使われることが多いGo言語にとっては重要な資質だと考えています。

またGo言語は最近教育や普及にも力を入れて以下のようなサイトが公開されています。

The Go Programming Language

令和元年Google機械学習技術総決算 @ 足立 昌彦(カブク)

このセッションはタイトル通り、この一年のGoogle機械学習の振り返りでした。主なトピックとして紹介されていたのはTF LiteAutoMLTF 2.0TensorFlow Hubです。

 

このトピックのなかで個人的に一番印象的だった出来事はやはりTF 2.0のリリースでした。Keras APIの統合と既存APIの整理によって初学者にも十分オススメできる環境になったと思います。TF 2.0に関しては自分も「MinikubeとTensorFlow 2.0でGPUを使ってCIFAR-10」という記事を書いているので興味がある方はご覧ください。

CloudNative 時代における GKE/Kubernetes ではじめる開発 @ 青山 真也(サイバーエージェント)

Kubernetesで有名な青山さんのセッションです。CKAD(Certified Kubernetes Application Developer)の資格を世界で2番目に取った方です。自己紹介の後いきなり「インスタ映えする手乗りクラスタ持ってますよね?」的な煽りで始まって苦笑しました。

話の内容はCloud NativeとKubernetesの総合的な解説でした。「Kubernetes != Cloud Native 」の式は重要でKubernetesを使うだけでCloud Nativeになるわけではなく、VMでもCloud Nativeは可能なので以下のCloud Nativeの本質を理解することが大切だそうです。

  • OpenかつScalableなシステムの実現
    • 疎結合なシステム
    • 回復性がある
    • 管理しやすい
    • 可観測である
    • 堅牢な自動化により、頻繁かつ期待通りに最小限の労力で大きな変更が可能

Kubernetesについては青山さんの著書である以下がおすすめです。

BigQueryの今年の多すぎるアップデートを振り返ってみる @ なかむら さとる

BigQueryは簡単に言えばGoogle版のDWHです。Googleのクラウドサービスの最初期からあるサービスですが、まだまだアップデートはたくさんあり成長過程にある活発なサービスのようです。

普段はAWSを使っていてもBigQueryだけは使うという事例もよく聞くのでBigQueryには今後も注目していきたいと思います。

まとめ

GDG DevFestは初参加でしたが、セッションの内容も会場の雰囲気もとても良く素晴らしい一日でした。

クラウドでいうとAWSが抜き出ており、ビジネスではAzureが追い上げている状況でGoogleはなんとなく存在感が薄かった印象ですが、言語やフレームワークのトータルでみるとまさしくGoogleの技術はいたるところで社会を支えているということをあらためて実感できました。そして、そのGoogleの技術の取り巻きには熱狂的なファンを中心にGDGが形成され、さらにファンを増やしていく好循環が世界中でムーブメントが発生しているということはGoogleの技術はこれからも支持され、社会を支えていくという何よりの証左だと思います。その中で自分はこの巨人の肩に乗っていかに価値を提供していくのかを考え続けなければいけないという思いを胸にしました。

最後になりましたが関係者、参加者の皆様、本当にお疲れさまでした。本記事がGDGの活動およびDevFestとGoogleの技術に興味がある方の一助になれば幸いです。

おまけ

以下が戦利品です。中央のお米が異彩を放っています(笑)。

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